本態性振戦の基礎知識
ほんたいせいしんせん 本態性振戦 原因の不明なあるいは特定の原因によらない(本態性)、規則的な不随意運動(振戦)を生じる疾患 1人の医師がチェック 3回の改訂 最終更新: 2024.08.08 執筆・監修 医療事典 MEDLEY 編集チーム 医師・薬剤師はっきりとした原因がないにもかかわらず、身体が規則的に震える(振戦)病気のことです。振戦の症状があらわれる病気の中では最も多いです。きまった姿勢をとったときや動作時に手を中心に振戦が起こります。高齢者に多く見られますが、若年者にも見られることがあります。問診や身体診察で診断が行われ、同時に振戦を起こす他の病気がないかも調べられます。治療をするにあたっては、症状がどの程度日常生活に影響を与えているかがポイントになります。薬物治療に効果があるので、必要に応じて用いられます。本態性振戦が心配な人は脳神経内科や一般内科を受診してください。
- 原因の不明なあるいは特定の原因によらない(=本態性)、規則的な不随意運動(=振戦)を生じる疾患
- 振戦では最も多い疾患である
- 何らかの姿勢を取った時や動作をする時に、おもに手の震え(振戦)を生じる
- 一般に4-12Hz(1秒間に4-12回の速さ)の震え
- 高齢になる程増えるが、若年者でも生じる
- 進行は一般的にかなり遅いことが特徴であるが、ほぼ進行しないこともある
- 直接命に関わることはないが、生活上の動作に支障をきたすことはある
- 一部の患者でのちにパーキンソン病を発症することがあると言われている。両者の関連を示唆する報告は散見されるが、まだ統一的な見解はない
- 何らかの姿勢を取った時や動作をする時に、おもに手の震えを生じる
- 手の症状が最も多いが、頭や足・顔面・声などに生ずることもある
- 症状は以下のタイミングで現れやすい
- 新聞を読む時
- 箸を持つ時
- コップを持つ時
- 字を書く時
- その一方で、完全に力を抜いている状態(安静時)には震えを生じない
- 緊張すると症状が悪くなる
- 飲酒で症状が軽くなることが多い
- 多くの場合は診察で本態性振戦を疑うことができる
- 甲状腺機能亢進症によって振戦が出ている場合があるので、血液検査で甲状腺ホルモンを測定する
- もしてんかんが否定できない場合は脳波検査を行う
- もしパーキンソン病やパーキンソン症候群が疑われる場合はその検査(頭部MRIや各種の核医学検査)を行う
本態性振戦の治療法
- 一般に、治療しなくても急に悪くなることはない
- そのため、治療するかどうかは、「症状でどの程度困っているのか」が判断材料になる
- 困っていないのであれば急いで治療しなくても良いし、困る場面でのみピンポイントで治療するという手段もある
- 治療薬としてはβ遮断薬(保険適応はアロチノロールのみ)がもっとも用いられている
- 次にしばしば用いられるのがプリミドンであり、その他には抗不安薬などを用いることがある
- 内服薬で十分な効果が得られる割合は5割前後である
- 内服治療抵抗性の場合(内服薬で効果が得られない場合)は外科的治療やボツリヌス毒素注射という手段もある
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