サーマルリレー【熱動継電器】の機能
サーマルリレーは電流が流れ続けているときに内部のバイメタルが熱によって 湾曲することで接点が切れて負荷から器機を保護するものです。
サーマルリレーの内部の回路が解放するのではなく、過電流が続きバイメタルが過熱してくると サーマルリレーが動作してマグネットスイッチのコイルへの通電を遮断する仕組みになっています。電磁接触器に連結されているものを二つ合わせて電磁開閉器といいます。
電磁接触器(マグネットスイッチ) とミゼットリレー
目次- サーマルリレー【熱動継電器】
- サーマルリレーがトリップしたとき
- ヒートエレメントの二素子と三素子の違い
- まとめ
サーマルリレー【熱動継電器】
負荷に過電流が流れ続けたときに負荷を焼損から保護するものです。三相交流モーターを例に説明していきます。
電流が導体を流れると熱が発生します。電流が大きくなると発熱量も増大します。 サーマルリレーではこの現象を利用して熱で変形するバイメタルを内部に組み込んであります。
高負荷や断続的な動作あるいは回転軸がロックしている状態などで 大きな電流が流れ続けると発熱量が大きくなり絶縁材料が焼けてコイルの焼損につながります。
ブレーカーは瞬間的な大電流でトリップしますが、サーマルリレーは大きな電流が流れ続けて熱を持ったバイメタルが湾曲してトリップします。 始動電流が流れただけでは動作しませんが頻繁に入り切りして始動電流が何度も流れると熱を持ってしまいトリップすることが有ります。
黄色いダイヤルで動作電流を設定します。負荷に応じて変更することが 可能です。交換時はこの設定を確認しないと負荷を保護することができなくなる恐れがあるので注意が必要です。交換前のサーマルリレーと照らし合わせるか、設定が確認できる 図面等があればそちらも参照しましょう。
サーマルリレーがトリップしたとき画像は富士電機のサーマルリレーですがこのタイプはトリップしたときは リセットボタンの上にある小窓の色が変わってわかるようになっています。
サーマルリレーはトリップしたときにブレーカのように直接的に回路を開放するものでは有りません。
補助接点(黄色線)の信号によってサーマルが動作したことを検出して電磁接触器のコイルをオフさせて負荷への電流を遮断します。 電磁接触器へのコイルの回路にサーマルリレーの補助接点が入っている場合やPLCへ故障の信号として入力されるケースなどが有ります。
上の左の画像はサーマルリレーの補助接点を使用した故障検出の配線です。
左側の緑の補助接点はa接点なのでサーマルがトリップしたときに回路が閉じます。 行先はPLCの入力カードになっていてサーマルリレーがトリップした信号を入力することになります。(正常時は入力無し) この動作によってPLC(プログラム側)がサーマルリレーがトリップしていることを 検出できるわけです。この配線が断線していた場合PLCへの入力が無くなるので、実際にサーマルリレーがトリップしていてもPLCは故障を検出できない状態になります。
右側の赤の補助接点はb接点です。通常時は閉じていてサーマルリレーがトリップしたときに接点が開きます。こちらの配線はサーマルリレーの一次側にある電磁接触器のコイルの回路に直列に組まれています。※線番を確認してみてください。 サーマルリレーがトリップすると接点が解放することになるので電磁接触器のコイルの 回路も電路が解放して電磁接触器のコイルの励磁がされなくなり、主回路が開放されます。 サーマルリレーがトリップすれば確実に電磁接触器のコイルがオフするようになっている ことが重要です。
このように補助接点を使うことでトリップを検出してPLCに信号を入力したり 電磁接触器のコイルの回路を開放して主回路をオフにするようにはたらきを持たせることができます。
バイメタルが冷めて元の位置に戻っていれば、RESETボタンを押せばトリップを解除できます。ただトリップ原因を取り除いていなければ再度トリップしてしまいます。
現場エンジニアが読む電気の本 もう現場でつまずかないズバリ答える50の疑問! [ 林正雄 ]posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピングヒートエレメントの二素子と三素子の違い
左の写真は2素子タイプ、右の写真は3素子タイプです。 熱に反応するヒートエレメントの配置されている数が異なります。
白いレバーの部分がリセットボタンとつながっています。 トリップ時はヒートエレメントの湾曲によって動かされて接点を開放します。 少し見にくいですがレバーの右側にある薄い金属板が接点につながっています。 レバーのすぐ左の部分が接点になります。
まとめ
サーマルリレーは機器を過負荷による過電流による焼損を未然に防ぐ機器です。 電動機には必須の部品なので回路の流れをしっかり把握しておくようにしましょう。
こちらも参考にしてください。【現場で役立つ故障対応】電磁接触器(コンタクター)の不具合と調査