. フウラン(富貴蘭)の育て方
フウラン(富貴蘭)の育て方
フウラン(富貴蘭)の育て方

フウラン(富貴蘭)の育て方

フウラン(Vanda falcata:旧名Neofinetia falcata)は日本の西側に自生する着生ランです。夏に咲く花がきれいで、また香りもよい植物です。江戸時代には美しい斑入の品種が多く集められており、古くから日本の伝統的な園芸植物として親しまれています。

主にそうした斑入のフウランのことを、「富貴蘭」と読んでいます。斑入などで銘がつけられて発表されたフウランのことだと思ってください。ただのフウランと区別して富貴蘭と読んでいます。斑入ネジバナが小町蘭、斑入ミヤマウズラが錦蘭、セッコクが長生蘭と呼ばれるのと同じようなことだと思います。

ここではフウランの育て方などを紹介したいと思います。

フウラン

目次
  1. 育てる場所、環境
  2. 置き場所
  3. 風通しのいい、蒸れない場所が好き
  4. 日の当たり具合
  5. 栽培用土
  6. 水やり
    1. 夏の水やり
    2. 秋、春の水やり
    3. 冬の水やり
  7. 冬の管理、冬越し
    1. 耐寒温度
    2. 寒さ対策
    3. 冬の明るさ
    4. 冬の置き場所
  8. 害虫
目次
  1. 育てる場所、環境
  2. 置き場所
  3. 風通しのいい、蒸れない場所が好き
  4. 日の当たり具合
  5. 栽培用土
  6. 水やり
    1. 夏の水やり
    2. 秋、春の水やり
    3. 冬の水やり
  7. 冬の管理、冬越し
    1. 耐寒温度
    2. 寒さ対策
    3. 冬の明るさ
    4. 冬の置き場所
  8. 害虫

育てる場所、環境

まず自生地はどんなふうか。着生ランなので、一般的な山野草とはちょっと変わったところに生えています。特殊な環境に自生しているので、栽培する場合もそれに合わせた管理が必要になります。

フウランはもともと木の幹などにへばりついている着生ランです。

根も、地中に潜っているのではなく、むき出しで木の幹につたっています。根だけでなくもちろん株全体が外気にさらされています。

根はよく伸びて、木の幹にへばりついているので簡単には外れません。また年数がたったものはかなりの大株になって、フウランの塊が木からぶら下がるような格好になっているものもあります。

高さはある程度高いところに多いようです。森の中に自生しているので、夏は直射日光はあまり当たらず、ときどき木漏日が差すくらいの環境です。

湿度の高い風を好み、極端な乾燥が苦手です。雨ざらしになりますが、水は木の幹やフウラン自体を流れ落ちるので滞水することはありません。

この自生地の環境を念頭に置いて、フウランの基本的な育てかたを考えてみたいと思います。

置き場所

ぶら下げたフウラン

置き場所は、基本的に風通しの良い半日陰におきます。

直接棚に並べる場合は、ある程度間隔を開けるか、空気のこもらない場所にします。

あるいは、フウラン用の蘭掛けがあればそこに並べます。蘭掛は棚において使うものと上からぶら下げるものがありますが、どちらも地表より高くなるので風通しがよくなります。

一般的には、上からぶら下げるフウラン用の蘭掛を使い、ぶら下げてそだてるのが一番楽で出来もよくなるような気がします。

風通しのいい、蒸れない場所が好き

ぶら下げるということは、下からも空気に触れやすくなります。そういう環境もフウランにはあっています。基本的に風通しのいい場所が好きなので、ぶら下げない場合も、締め切らない、空気の動きのある場所においてください。

強風が好きとか、常に風に吹かれていなければならないとかいうことではありません。空気が淀んでいなければ大丈夫です。

日の当たり具合

日当たりについては、基本的には半日陰にし、30~50%くらいの遮光率で管理するのが無難です。

暗すぎるよりはある程度の明るさがあったほうが良くできます。とくにある種の斑は、日を当てないときれいに発色しないものもあります。また暗いと徒長しがちにもなります。

水切れのときに直射日光にあたると葉焼けを起こしますが、そうでなければ意外と陽の光には耐えます。

理想的なのは、春までは直射日光に当て、5月以降は少なくとも30%、夏は50%以上の遮光になるようにすることです。夏は西日も当てないほうがいいでしょう。

栽培用土

着生植物なので、ポットに土を入れて植える、という植え方はしません。

一般的なのはミズゴケ単用で植える方法です。これは鉢の内部は空洞にして、根の表面だけをミズゴケで覆う植え方です。ナゴランも同じ植え方で作りますが、ちょっと他の植物とは違うのできれいに植えるにはコツがいります。

植え方はすぐになれますが、最近はフウランをきれいに植えるための毛足の長い乾燥ミズゴケが手に入りにくく、また高価になってきています。長いミズゴケは見た目の美しさのためなので、生育は普通のミズゴケと変わりません。展示会に出品するなどの理由がなければ、無理して高級なミズゴケを使わなくてもいいかもしれません。

もう一つは、ヘゴ板やコルク板にくっつける方法です。この場合はミズゴケはいらないか、少量ですみます。また高級な長いミズゴケを使う必要もありません。

コルク板に付けたフウラン

水やり

水やりに関しては、フウランとチランジア(エアプランツ)は良く似ている気がします。エアプランツは昔日本に導入された頃、「水がいらない植物」と誤って紹介されて、その結果干からびてしまうエアプランツが続出しました。

フウランも、よく乾くようにぶら下げていて、乾燥に強く水やりの回数も少なめで住む植物ですが、やはりまったく水をやらないと干からびて枯れてしまいます。

環境によって適した水加減は大きく変わると思いますが、基本的に水やりは必要であるということを忘れないでください。

夏の水やり

まず夏場は、その他の植物と同じように乾いたらたっぷりやります。フウランはミズゴケで植えるのが一般的なので、ミズゴケの乾き具合で水が必要かどうか判断します。鉢底から指を突っ込んでみて内部のミズゴケが乾いていたらたっぷり水をやります。

乾燥には強いので、ミズゴケがカラカラになっても耐えますが、そのうち葉が萎びてきます。また、そういう状態で強い日に当たると葉焼けし、最悪の場合枯れてしまいます。そうなる前に水をたっぷりやりましょう。

ミズゴケの量、植え方にもよりますが、だいたい夏は数日で乾燥してくるはずです。晴れた日や風のある日は1日でからからになることもあります。そういう日が続く場合は毎日水をやってもかまいません。

逆に夏でも植えたミズゴケがずっと湿ったままというのは、植え方か環境に問題がある可能性があります。ミズゴケが多すぎないか、締め切った場所になっていないか調べましょう。乾燥には強い植物ですが、滞水には弱いのでジメジメした場所だと腐ってしまうことがあります。水をやり、それが乾く、というサイクルが大切です。

ヘゴ付などにしてミズゴケを使わないで植えた場合も、もちろん水をたっぷりやります。ヘゴ自体が多少の水を含みますが、ミズゴケほどではないのであまり滞水を気にする必要はないと思います。

秋、春の水やり

夏に比べると春、秋はみずやりの回数がぐっと減ります。カラカラになったらやる、という程度で、感覚的には3日に一度か、週に一度くらいです。乾燥したらやる、という基本は一緒ですが、夏に比べると乾きも遅いので表面を濡らす程度でいいと思います。完全な乾燥を防ぐという意味の水やりになります。

冬の水やり

先にエアプランツに似ているとかきましたが、フウランもエアプランツも水が必要な植物です。それは、冬でも変わりません。冬でも水やりは行います。

ここを勘違いして、冬場に完全に水を切って萎びさせてしまうことが多いように思います。冬に完全に水を切るやり方もありますが、かなり難しい管理方法だと思います。

冬の水やりは栽培環境、地域によってだいぶ変わると思いますが、基本的には、冬も完全に乾燥したら水をやります。ただし、夏のようにたっぷりやる必要はありません。乾きにくいからです。

冬に、株全体を水にドブ漬けするようなやり方で水をやると、乾ききらずに腐ってしまったり、寒い地方では水分が凍ってだめになってしまうことがあります。

もともと冬は成長期ではなく、完全な断水を防ぎ、適度な湿度を保てればよいので、たっぷりやらず、表面を濡らす程度にとどめます。シャワーでさっと濡らすか、霧吹きで表面だけに水をやってしっとりさせるくらいでいいと思います。春、秋も同じようなやり方ですが、さらに頻度は低くなります。

水やりのタイミングも気をつけましょう。できるだけ晴れている日の午前中など、やった水が乾きやすい日にやります。

また気温が低くなる日も水やりを控えます。夜間に冷え込んでやった水が凍ってしまうとフウランが傷んでしまいます。

新潟の場合、冬も湿度が高めで、かつ曇りの日が多いので、水やりの回数は平均すると冬場は一週間に1度以下くらいだと思います。それでも時々は葉水程度に表面を濡らし、完全には乾ききらないようにしています。

基本的には乾燥に強い植物なので、冬の天気の悪い日に無理にやる必要はありません。ただし関東などで冬でも照るような日には、乾燥しすぎないように葉水が必要になるでしょう。

冬の管理、冬越し

水やりにも関連しますが、フウランは西日本中心に自生しているので寒さには弱い印象があり、夏場よりも冬の管理のほうが気になる植物だと思います。冬の置き場所などはどうすればいいでしょうか。

極端な低温は苦手ですが、日本の屋外に自生している植物なので、洋ランなど温かい地方の植物のように特別な保護が必要というわけではありません。それらに比べると冬越しもしやすいのではないでしょうか。

耐寒温度

フウラン栽培の最低気温は5℃とされることが多いですが、実際に栽培している経験からすると、5℃以下でも問題なく育ちます。0℃前後でも問題なく、最低気温で-5℃までは大丈夫なようです。

ただし、これは外の風の当たらない、屋内やハウス内での場合です。天気予報がマイナス5℃でも、冷たい風が当たるところでは実際にはもっと冷えたり、冷害が発生します。

-5℃で大丈夫なのはあくまでも直接風のあたらないハウスなどの屋内である、ということに注意してください。屋内ならば0℃以下、最低-5℃までは大丈夫です。

寒さ対策

温度が-5℃以下になるような場所では、対策が必要です。また寒気の影響などで極端な低温が予想される日も、保護したほうが無難です。

防寒対策として一番簡単なのは上から不織布をかけることです。不織布はぺらぺらの薄い布切れのようなものですが、一枚かけるだけで意外な防寒効果があります。また柔らかいのでフウランを傷める心配が少なくてすみます。

さらにずっと温度が低くなる極寒地では、さすがに加温が必要になるでしょう。フレームに入れるか、暖房を入れるなどの必要がでてくるでしょう。

暖房を入れる場合は逆に温めすぎないように注意が必要です。常に一定の温度を保ち、冬でも生育させる育て方もあるようですが、間延びしたり徒長したりすることが多く加減が難しいと思います。

冬の明るさ

冬は紫外線の量も少なめなので、窓際などある程度明るい場所に置きましょう。暗すぎると水分の蒸発もなく、冬でも蒸れて傷んでしまうことがあります。寒さを防ぐために暗い車庫に入れて失敗した、という話を聞いたことがあります。締め切った暗い室内は日光がまったくなく、空気も停滞しているためよくない環境です。

冬の置き場所

以上を総合すると、無加温の室内の明るい窓際のようなところが理想的かもしれません。ハウスがあればそこにいれっぱなしで大丈夫だと思います。

害虫

フウランにつく害虫はおもに3種類。ひとつはナメクジ、もうひとつは葉にくっつくコナジラミやカイガラムシ類です。あとはキリギリスなどのバッタ類。

ナメクジは、ぶら下げて管理している場合はそれほど寄ってきません。

もうひとつのコナカイガラムシやコナジラミは一度発生すると広がることがあるので、見つけたらマメに始末したほうがいいでしょう。

殺虫剤を使うとわりと簡単に退治できます。これらの虫によく効くのはアクテリック乳剤。これを1,000倍に希釈して使います。なお500倍で使ったときも薬害は出ませんでした。

ただしカイガラムシの状態によっては効かないことがあるのと、散布後に孵化した虫がまだ生き残る事があるので、二週間くらい開けて再度散布するのがいいそうです。

もう一つのバッタ類は、葉っぱをかじるので厄介です。フウランは成長がおそいので、せっかく出た葉をかじられるのはかなりショックです。これもなるべく寄せ付けないようにしましょう。

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