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送風機
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送風機

目次
  1. 送風機の種類
    1. 遠心送風機
    2. 軸流送風機
    3. 斜流送風機(チューブラーファン)
    4. 横流送風機
  2. 送風機の特性
    1. 静圧と動圧
    2. 送風機の特性曲線
    3. 風量の制御
    4. 送風機制御と消費電力
    5. 送風機の回転数と各要素の関係
    6. 複数台運転
  3. 送風機の構成と保守
    1. Vベルト
    2. ベアリング(軸受)
    3. ランナ(羽根)
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送風機の種類

送風機・圧縮機は、一般的に圧力によって分類されている。10kPa、100kPaを境として、ファン・ブロワ・圧縮機に分けられ、ファンとブロワを総称して送風機と呼ぶ。(JISB0132では、圧縮機と送風機(ファン)に分類され、ファンは30kPa以下、圧縮機で200kPa以下をブロアと定義している)空気調和用の送風機には、ファンが用いられる。羽根車を回転させ、遠心力を利用して送風するものをターボ型送風機と呼ぶ。ターボ型送風機は、遠心送風機・軸流送風機・斜流送風機・横流送風機に分類される。

遠心送風機

軸方向から空気が入り、軸に対して直角(径方向)に空気を送る。 空調や換気ファンなどで使用する。シロッコファン(多翼型)、ターボファン(後向き)、リミットロードファン、エアホイルファン(翼型)などがある。

シロッコファン(多翼型)

回転方向に対して前向きに羽根が付いている。構造が簡単で、大風量を得られる。騒音値が高く、効率が悪い(最も低い50%前後)、高速回転には適していない。風量を増加させると、静圧が増加し、軸動力が増加する。

ターボファン(後向き)

回転方向に対して後ろ向きに羽根が付いている。高速で高効率である。

リミットロードファン

回転方向に対して後ろ向きにS字型の羽根が付いている。圧力特性曲線にサージングに対して山が無く、安定している。運転能力にリミット性があり、風量が規定以上になっても軸動力に過負荷が起こらない特性がある。シロッコファンとターボファンの中間的性能である。

エアホイルファン(翼型)

回転方向に対して後ろ向きに飛行機の翼のような形状の羽根が付いている。騒音が少なく、効率が良い。

軸流送風機

軸方向から空気が入り、軸方向に空気を送る。静圧が小さく、風量が多い。騒音値が高い。ケーシングの内部にモータを付けた電動機直動式や、ケーシングの外にモータがあり、ベルトで回転させるベルト駆動式がある。冷却塔、壁付きの換気扇、トンネル内排気などで使用する。

斜流送風機(チューブラーファン)

軸方向から空気が入り、軸に対して斜めに空気を送る。騒音が少なくコンパクトである。ダクトファンとして使用される。

横流送風機

軸の横(外周の一部)から空気が入り、反対側の軸の横(外周の一部)へ、軸を巻き込むように空気が流れる。小型で、静圧が低く、風量も少ない。エアコン・エアカーテンの送風口など、幅広く空気を送り出す用途に適している。

送風機の特性

静圧と動圧
  • 静圧:空気が静止した状態で周囲を押す力。(位置エネルギー)
  • 動圧:流速(風速)による運動エネルギー。
送風機の特性曲線

送風機の特性について、横軸に風量、縦軸に圧力・効率・軸動力・騒音値をとって表したものを送風機の特性曲線という。横軸に風量、縦軸に静圧をとったものを、風量ー静圧特性(PーQ曲線)と呼ぶ。ダクトの送風を遮る抵抗曲線は、同じグラフ上の原点を通る2次曲線で表される。PーQ曲線と抵抗曲線の交点が送風機の運転点となり、風圧と抵抗は釣り合った状態となる。その時の風量が運転時の風量となる。ダクトの形状やダンパの開度を変えると、抵抗曲線は変化する。抵抗が増えると抵抗曲線はの傾きが高く移動する。送風機の回転数を減らすと、PーQ曲線は下へ移動する。最大風量は、送風が全て出ていく状態で、静圧は0Paとなる。最大静圧は、送風が全て遮られる状態で、風量は0m3/minとなる。PーQ曲線では、右上がりの部分がサージング領域となる。

サージング

送風機の吹き出し側のダンパやバルブの絞りすぎによる空気の振動の発生のこと。特性曲線の右上がりになっている領域で運転すると、サージング現象が発生しやすくなる。

小型化

ケーシングを小型にすると、内部抵抗が増加し、動力が大きくなる。

風量の制御

送風機の風量の調節は、送風抵抗を利用するダンパや、送風機の回転数を利用するインバータ制御がある。特性曲線図において送風機の定格運転点(h=q=1.0)を赤の点とすると、風量を50%(q=0.5)に風量制御した時の運転点は以下のように変化する。ダンパによる風量制御では、送風機は定格運転のままで抵抗値を変えることで風量を制御するため、PーQ曲線はそのままで抵抗曲線の傾きが高くなり、運転点は緑の点に移動する。インバーターによる風量制御では、抵抗はそのままで送風機の回転数を変えることで風量を制御するため、抵抗曲線はそのままでPーQ曲線が下へ移動し、運転点は青の点に移動する。

送風機制御と消費電力

ダンパによる風量制御とインバータによる風量制御での消費電力の違いを考える。定格点を基準にして単位法[p.u.]によって、h:風圧、n:回転速度、q:風量、η:送風機効率、r:送風抵抗、p:軸動力で、P-Q曲線、送風機効率、抵抗曲線が以下の近似式で表される場合、風量50%の場合の消費電力を求める。定格時の送風機出力(流量×圧力)が10kWで送風機効率75%、電動機効率90%、インバータ効率95%とする。

風圧:$\displaystyle h=1.1n^2+0.5nq-0.6q^2$ 送風機効率:$\displaystyle η=2\left(\frac{q}{n}\right)-\left(\frac{q}{n}\right)^2$ 抵抗(ダンパ全開時):$\displaystyle r=q^2$

軸動力と消費電力の式

送風機の軸動力pの単位法の式、定格出力Pn、送風機効率η、電動機効率ηG、インバータ効率ηI、消費電力PCの関係式は以下となる。

軸動力:$\displaystyle p=\frac{qh}{η} \ [p.u.]$

軸動力:$\displaystyle P=\frac{P_n}{η} \ [kW]$

消費電力:$\displaystyle P_C=\frac{P}{η_G×η_I} \ [kW]$

ダンパによる風量制御

ダンパによる風量制御では、送風機は定格運転のままで抵抗値を変えることで風量を制御する。送風機の回転速度は定格なのでn=1.0、風量は50%なのでq=0.5となる。風圧h、送風機効率η、軸動力pを求める。

風圧:$\displaystyle h=1.1×1^2+0.5×1×0.5-0.6×0.5^2=1.2$ 送風機効率:$\displaystyle η=2\left(\frac{0.5}{1}\right)-\left(\frac{0.5}{1}\right)^2=0.75$ 軸動力:$\displaystyle p=\frac{0.5×1.2}{0.75}=0.8$

定格時の出力Pn(流量×圧力)が10kWで送風機効率75%なので、定格時の軸動力Pは以下となる。

軸動力:$\displaystyle P=\frac{10}{0.75}≒13.333 \ [kW]$

風量50%の軸動力はp=0.8p.u.なので、風量50%の軸動力P50は以下となる。

$\displaystyle P_{50}=13.333×0.8≒10.666 \ [kW]$

軸動力P50=10.666kWで、電動機効率ηG=0.9より、消費電力PCは以下となる。

$\displaystyle P_C=\frac{10.666}{0.9}≒11.851 \ [kW]$

インバータによる風量制御

インバーターによる風量制御では、抵抗はそのままで送風機の回転数を変えることで風量を制御する。ダンパは全開状態で、抵抗r=風圧hとなる回転数nで運転される。風量は50%なのでq=0.5より抵抗rを求める。

抵抗:$\displaystyle r=0.5^2=0.25$

r=h=0.25なので、風圧hの式より回転数nを求める。(2次方程式の解の公式)

$0.25=1.1n^2+0.5n×0.5-0.6×0.5^2$ $1.1n^2+0.25n-0.4=0$

$\displaystyle n=\frac{-0.25±\sqrt{0.25^2-4×1.1×(-0.4)}}{2×1.1}$ $n=0.5$

q=0.5、n=0.5より送風機効率ηを求める。

送風機効率:$\displaystyle η=2\left(\frac{0.5}{0.5}\right)-\left(\frac{0.5}{0.5}\right)^2=1.0$

q=0.5、n=0.5、η=1.0より風量50%の軸動力pを求め、定格時の軸動力P=13.333kWより風量50%の軸動力P50を求める。

軸動力:$\displaystyle p=\frac{0.5×0.25}{1.0}=0.125$

$\displaystyle P_{50}=13.333×0.125≒1.666 \ [kW]$

軸動力P50=1.666kWで、電動機効率ηG=0.9、インバータ効率ηI=0.95より、消費電力PCは以下となる。

$\displaystyle P_C=\frac{1.666}{0.9×0.95}≒1.949 \ [kW]$

送風機の回転数と各要素の関係

風量:回転数に比例する。風圧:回転数の2乗に比例する。軸動力:回転数の3乗に比例する。軸動力はに回転数の3乗に比例するため、回転数を下げると軸動力は大きく下がる。よってインバータによる風量制御は、ダンパによる風量制御より省エネとなる。上記の理由から、同じ風量を得るのに、1台の送風機を100%で運転するより、2台の送風機を50%で運転した方が省エネとなる場合がある。

風量と回転数の関係

風量は、回転数に比例する。

$\displaystyle V=v×S \ [m^3] $

$V$:単位時間当たりの風量 [$m^3/s$] $v$:回転数(回転速度) [$m/s$] $S$:面積 [$m^2$]

全圧と回転数の関係

全圧(静圧+動圧)は、回転数の2乗に比例する。

$\displaystyle P_T=P_S+\frac{1}{2}ρv^2 \ [Pa] $

$P_T$:全圧 [$Pa$] $P_S$:静圧 [$Pa$] $ρ$:空気密度[$kg/m^3$] $v$:回転数(回転速度) [$m/s$]

軸動力と回転数の関係

軸動力は、回転数の3乗に比例する。

$\displaystyle P=\frac{1}{2}mv^2=\frac{1}{2}(ρSv)v^2=\frac{1}{2}ρSv^3 \ [W] $

$P$:軸動力(単位時間当たりの運動エネルギー) [$W$] $m$:単位時間当たりの質量 [$kg/s$] $v$:回転数(回転速度) [$m/s$] $ρ$:空気密度 [$kg/m^3$] $S$:面積 [$m^2$]

トルクと回転数の関係

トルクは、回転数の2乗に比例する。

$\displaystyle T=\frac{P}{ω}=\frac{1}{2}ρSv^3×\frac{1}{2πv}=\frac{1}{2}×\frac{ρSv^2}{2π} \ [N・m] $

$T$:トルク [$N・m$] $P$:軸動力(単位時間当たりの運動エネルギー) [$W$] $ω$:角速度 [$rad/s$] $ρ$:密度[$g/m^3$] $v$:回転数(回転速度) [$m/s$]

複数台運転
  • 直列運転:送風機2台を直列運転すると、静圧は2倍になる。静圧0のときは、風量は1台も2台も変わらない。
  • 並列運転:送風機2台を並列運転すると、風量は2倍になる。風量0のときは、静圧は1台も2台も変わらない。
送風機の直列運転 送風機の並列運転

送風機の構成と保守

Vベルト

ベルトの外周側が広く、内周側が狭い構造をしており、台形を逆さにしたようなV字形状となっているベルト。回転動力の伝達に用いられ、2本の回転軸にそれぞれVベルトプーリー(滑車)を取り付けて、両軸をVベルトでつなぎ、回転運動を軸間で伝える。通常の平ベルトと比べて摩擦力が高く、すべりが少なく、大きな伝達力を持っている。

点検項目
  • 振動を減らすため、適度なたわみが必要で、プーリー間10cmあたり1.6mmくらいである。
  • プーリー間のVベルトは平行であるべきなので、ずれや傾きは2mm以下であること。
  • プーリーの外周からVベルトがはみ出しているのが正常である。はみ出ていない場合Vベルトの摩耗が考えられる。
  • プーリーの側面が光っていたり、つるつるしていると、Vベルトに摩擦が生じている。
  • プーリーの底面の塗装がはがれていたら、Vベルトが底面まで密着してしまっているので摩擦が生じている可能性がある。
  • Vベルトのひび割れ、亀裂、摩擦による光が確認された場合は交換が必要である。
Vベルト(正常) プーリ摩耗 ベルト摩耗 ベアリング(軸受)

回転する軸を支える部品。回転する軸を正しい位置に保つ役割をする。摩擦を少なくし、回転を滑らかにしてエネルギー消費量を少なくする。

玉軸受(ボールベアリング)

内輪と外輪の間にある玉やころの転がりによって、摩擦の抵抗を低減する。起動摩擦が少なく高速回転に対応する。潤滑油にグリースが用いられる。

すべり軸受

軸と軸受の面が直接接触している。振動に強く、構造が簡単で小型である。油膜によって回転を支える

玉軸受 すべり軸受 点検項目

音・振動、温度、潤滑油の状態で判断する。ドライバーをハウジングに押し当てて他端を耳に押し当て、転がり軸受から発生する摩擦音を聞く簡易的方法もある。中間期に、潤滑用のグリスまたは油をグリスニップルより補給する。(グリスアップ)

    ベアリングユニット ランナ(羽根)

じんあいの付着で、送風能力の低下や、騒音や振動を起こす。

送風機(ビル管問題)ビル管理士試験・過去問題をやってみよう。bm-sort.com2025.11.19

Ver.1.2.7

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