【徹底解説】フロントフォークのオーバーホール。費用や作業手順、必要な道具は?
【徹底解説】フロントフォークのオーバーホール。費用や作業手順、必要な道具は?- 2022年9月14日
- 2023年1月24日
- メンテナンス, 車体系
- オイル漏れ, オーバーホール, フロントフォーク
「フロントフォークからオイルが漏れている」 突然のできごとで驚かれた方も、この記事を見ればもう安心です。
この記事では、フロントフォークのオイル漏れの対処法、そのメカニズムを解説しています。 フロントフォークのオーバーホールについても、手順ごとに紹介していますので是非確認してみてください。
こんな方にオススメの記事・フロントフォークのオーバーホールをしたい
・フロントフォークがオイル漏れしている
・どのくらいの費用がかかるのか知りたい
- Sponsored Link - 目次- 1 フロントフォークの基礎知識
- 1.1 フロントフォークの構造
- 1.1.1 正立と倒立
- 1.2 なぜ、オイル漏れするの?
- 1.2.1 放っておいたらどうなるか
- 1.3 点検・オーバーホールの目安
- 1.1 フロントフォークの構造
- 2 オーバーホールの費用について
- 3 作業環境について
- 3.1 バイク用スタンドは持っているか?
- 3.2 電動(エアー)工具が必要
- 3.3 フォークオイルのデータを調べておこう
- 4 必要な道具
- 4.1 フォーク部品
- 4.1.1 ダストシール
- 4.1.2 オイルシール
- 4.1.3 他部品
- 4.2 フォークオイル
- 4.3 特殊工具
- 4.3.1 シールインサーター
- 4.3.2 油面ゲージ
- 4.4 インパクトドライバー
- 4.5 ケミカル系
- 4.5.1 パーツクリーナー
- 4.5.2 リチウム/シリコーングリース
- 4.5.3 #800ヤスリ
- 4.1 フォーク部品
- 5 作業手順(取り外し~分解まで)
- 5.1 Fフォークを外す
- 5.1.1 突き出し量を調べておく
- 5.1.2 トップキャップを緩めておく
- 5.2 トップキャップを外し、オイルを抜く
- 5.2.1 フォークスプリングに向きを確認しておく
- 5.3 ダンパーロッドボルトを緩める
- 5.4 ダストシールを外す
- 5.5 クリップを外す
- 5.6 オイルシールと他部品を外す
- 5.6.1 スピンドルの紛失に注意
- 5.7 スライドメタルを外す
- 5.8 各部品の清掃
- 5.8.1 アウター/インナーチューブのヤスリがけ
- 5.1 Fフォークを外す
- 6 作業手順(組み立て~取り付け)
- 6.1 スライドメタルの取り付け
- 6.2 インナーチューブをアウターチューブに差し込む
- 6.3 スライドメタルの打ち込み
- 6.4 ワッシャーを入れる
- 6.5 オイルシールの打ち込み
- 6.6 クリップの取り付け
- 6.7 ダストシールの取り付け
- 6.8 ダンパーロッドを入れて固定する
- 6.9 フォークオイルを入れる
- 6.10 油面を合わせる
- 6.11 フォークスプリングを入れる
- 6.12 トップキャップを取り付ける
- 6.13 車体に取り付ける
- 7 さいごに
フロントフォークの基礎知識
フロントフォークの構造フロントフォークは、オイルによる油圧とスプリングによるバネの力で、路面からの衝撃を吸収する役割があります。 劣化してしまうと走行性能の低下や乗り心地を悪くしてしまいます。
正立と倒立フロントフォークには、「正立」と「倒立」の2種類あります。 正立フォークは、オーソドックスなスタイルであり排気量問わず多くの車両で使用されています。 対する倒立フォークは、運動性能が高くレーサーマシンに多く採用されています。近年では250ccクラスでも採用され数を増やしています。
なぜ、オイル漏れするの?フロントフォークには「フォークオイル」が使用されており、激しく上下してもオイルが漏れないように「オイルシール」というゴムの部品で密閉されています。 ですが、ゴムの部品は経年劣化により”ひび割れ”が発生したり、縮んだりしてしまいます。その結果オイルを密閉しきれず外に漏れてします。
放っておいたらどうなるかオイル漏れは放っておいても良いのでしょうか。 フロントフォークにはブレーキ関係の部品やタイヤが付いています。漏れたオイルはフォークを伝い、ディスクブレーキやタイヤに付着してしまい非常に危険です。
オイル漏れが発生したり、劣化が確認できたときは早急に対処をしましょう。
点検・オーバーホールの目安- オーバーホール 40000km
- 点検 10000km
上記の数字はあくまで目安であり、走行状況や放置期間などによって大きく前後します。 オイル漏れが発生したり、ひび割れが確認できたときは早急に対応しましょう。
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部品代 ¥11,924 フォークオイル ¥1,870 工賃 ¥15,950 総額 ¥29,744 [モデル:SR400(2001年モデル ディスクブレーキ車 正立フォーク)]オーバーホールに必要な部品は車両によって大きく変わります。気になる方は、一度見積もりを取ってみましょう。 より複雑な構造の倒立フォークの方が工賃が高い傾向にあります。
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バイク用スタンドは持っているか?Fフォークを外すには、Fタイヤを外す必要があります。 そのため車体を浮かせることが可能な「メンテナンススタンド」が必要となります。
注意点Fを浮かせるには、Rを浮かせないと車体が安定せず危険です。なのでFとR用で計2つ必要になります。
▼私が使用しているメンテナンススタンド
ジェイトリップ(J-TRIP) ショートローラースタンド(ホンタイ) レッド JT-125RD メンテナンススタンド
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Amazonの情報を掲載しています 電動(エアー)工具が必要今回の作業は”人力での脱着が難しいボルト”があり、電動(エアー)工具の「インパクトレンチ(ドライバー)」が必要です。 マンリキなどでフォークを固定すれば人力でも不可能ではありませんが、車両ごとの個体差が激しいため最初から用意できることが望ましいです。
▼私が使用したインパクトドライバー
HiKOKI(ハイコーキ) 14.4V コードレス インパクトドライバ 2.0Ah 蓄電池×2個 充電器 ケース付 FWH14DF(2BG)
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Amazonの情報を掲載していますベッセル(VESSEL) 40V対応 片頭ヘックス 剛彩ビット ロングタイプ 対辺8×150 1本 GSH080L
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Amazonの情報を掲載しています フォークオイルのデータを調べておこうFフォークに使用するフォークオイルは、「オイルの種類」「オイルの量」「油面の高さ」が車両ごとに定められています。 ネット調べてすぐにわかるものではありませんので、販売店などに問い合わせし事前に調べておくことをオススメいたします。
▼今回作業する「SR400(2001年式)」のデータは下記の通りです。
油種 G10 油量 176cm3 油面 199cm - Sponsored Link -必要な道具
フォーク部品上記の”○“がついている部品は”交換必須かつ最低限の部品“です。車両ごとに使用部品が異なりますので、不安な方は販売店に確認しましょう。
ダストシールキジマ(Kijima) ダストシール SR400/500 ブラック 2個入り 206-260
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Amazonの情報を掲載していますSR400の純正はジャバラ状ですが、今回はキジマの通常形状のタイプにしました。好みで選んでいただいて問題ありません。
オイルシールariete(アリート) フォークオイルシール 2個(1台分) φ35 CBX400/SR400(-00) ARI003T
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Amazonの情報を掲載しています今回はAriete(アリート)製のオイルシール(商品ページ(外部リンク))を使用します。純正よりも性能が高く、値段が安いのが特徴です。 また使用する上での注意点がございますので、SRユーザーの方は必ず確認してください。(注意点を確認する)
適合を調べる(外部リンク)
他部品他部品は全て「純正部品」で揃えました。
フォークオイルヤマハ(YAMAHA) ヤマルーブ サスペンション&フォークオイル G-10 1L 90793-38042
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Amazonの情報を掲載していますヤマハ純正フォークオイル G10 1L フォークオイルデータに記載されているのは片側のみなので、左右分(×2)用意しましょう。
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Amazonの情報を掲載していますオイルシールやスライドメタルを打ち込むために必要です。
油面ゲージキジマ(Kijima) フォークオイル 油面ゲージ フロントフォーク用 レベル320mm対応 30ccポンプ付 汎用 302-3071
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Amazonの情報を掲載していますフォークオイルを規定量入れるために必要です。
インパクトドライバーHiKOKI(ハイコーキ) 14.4V コードレスインパクト ドライバ ブルー 1.3Ah バッテリ2本・充電器・ケース付 F...
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Amazonの情報を掲載していますフロントフォーク最下部の「ダンパーロッドボルト」を緩めるために必要です。フォークを万力等に固定して外すことも可能です。
ケミカル系 パーツクリーナーAZ(エーゼット) 速乾性 パーツクリーナー650ml 4本セット(原液量500ml・強力パーツクリーナー・逆さ噴射可能)
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Amazonの情報を掲載していますフロントフォークの清掃に必要です。結構な量を使いますので複数本用意しましょう。(今回は3本使っています)
リチウム/シリコーングリースデイトナ バイク用 グリス 使用温度-55~180℃ 耐熱性 耐薬品性 シリコングリス 30g 17679
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Amazonの情報を掲載していますどちらも2gあれば十分なので、セットになっているもので問題ありません。
#800ヤスリサビ落としに必要です。サビをそのままにするとオイル漏れを早めてしまいます。
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Fフォークを外すFフォークを外すにはFタイヤを外し、フォークにクランプ固定されている部品も外す必要があります。以下の2つを行ってから作業に取り掛かりましょう。
突き出し量を調べておくフォークを外す前に「トップブリッジから突き出している量」を確認します。 ※突き出し量が変わると「車体のホイールベース」が変わります。
トップキャップを緩めておく [SR400 トップキャップ:ヘキサゴン 17mm]フロントフォークを外す前にトップキャップは緩めておきます。また傷がつきやすく、目立つ位置なので養生をするといいでしょう。
トップキャップを外し、オイルを抜くフロントフォークを外したら、トップキャップを外しフォークオイルを抜きましょう。
フォークスプリングに向きを確認しておくオイルを抜くとき一緒にフロントフォークスプリングが出てきます。スプリングには”向き”がありますので、確認しておきましょう。
ダンパーロッドボルトを緩める [SR400 ダンパーロッドボルト:ヘキサゴン 8mm]次に最下部のダンパーロッドボルトを緩めます。 フロントフォークを逆さまにしインパクドライバーでボルトを外します。マンリキなどでフォークが固定できるのであれば手動でも可能です。
ダンパーロッドボルトを外せたら、中からダンパーロッドを取り出しましょう。
空転してしまう場合ボルトが空転してしまい外すことができない場合は、「中にフォークスプリングを入れて、トップキャップを閉める」ことで外しやすくなります。
ダストシールを外すダストシールは挟まっているだけなので、傷がつきにくい「内装剥がし」を使用しましょう。
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Amazonの情報を掲載していますマイナスドライバーなどを使用する場合は、傷が目立たない”フォークの内側“で使うといいでしょう。(傷が入ると思った方がいい)
- Sponsored Link - クリップを外すクリップも挟まっているだけですので、マイナスドライバーなどで取り外します。
オイルシールと他部品を外すここまで来ればインナーチューブを抜くことができます。一緒に「オイルシール」と「スライドメタル2種類」が抜けるはずです。
スピンドルの紛失に注意インナーチューブの最下部に「スピンドル(白い樹脂製の部品)」が挟まっています。これがインナーチューブを外す際に紛失したり、アウターチューブ側に残ったりしますので気をつけましょう。
スライドメタルを外すインナーチューブ側のスライドメタルを外します。マイナスドライバーなどで、傷をつけないように気をつけながら外しましょう。
各部品の清掃アウターチューブなどの”再利用する部品“をパーツクリーナーで清掃します。
アウター/インナーチューブのヤスリがけインナーチューブの外側、アウターチューブの内側をペーパー(#800)でやすりがけします。
POINT!やすりがけは横方向に行いましょう。(縦方向に行うと「オイル漏れ」の原因になることがあります) また、やすりがけが甘いと新しい部品を傷つけたり、圧入する際に支障がでることがあります。手で触って凸がなくなるまで行いましょう。 - Sponsored Link -作業手順(組み立て~取り付け)
スライドメタルの取り付けインナーチューブにスライドメタルを取り付けします。
インナーチューブをアウターチューブに差し込むインナーチューブの最下部にスピンドルを取り付け、落下に注意しながらアウターチューブに入れます。
スライドメタルの打ち込みシールインサーターを使用し「スライドメタル」を打ち込みます。面一になるくらいが目安です。
POINT!シールインサーターを使用する時は、新品の部品に傷を付けないために「古いワッシャー」を間に挟みましょう。
ワッシャーを入れる新品のワッシャーを入れましょう。バリ取りがされている方が上ですので気をつけましょう。
【注意】SR400 Ariete(アリート)製のオイルシールを使う方 SR400でAriete(アリート)製のオイルシールを使用する方に向けた注意喚起です。上記の条件の場合、この工程の「ワッシャー」は使用しません。 SR400には、ワッシャーを”使用していない“フォーク(ドラムブレーキ)と、ワッシャーを”使用している“フォーク(ディスクブレーキ)が存在します。
Ariete(アリート)製のオイルシールは、上記2種類に対応できるように、前者のフォークを基準に作られています。 そのため、ワッシャーを入れてしまうと物理的に高さが合いません。
全年式を調べたわけではありませんが、私の2001年式では不都合が出ましたので確認してみてください。 - Sponsored Link - オイルシールの打ち込み
オイルシールが斜めに入らぬように水平を保ちながら、シールインサーターを使用し打ち込みます。斜めに入ってしまった場合は、無理せずやり直しましょう。(インナーチューブを抜けばやり直しできます)
POINT!オイルシールを入れる際は、インナーチューブの先端(上)を養生し傷付き防止を行いましょう。また、オイルシールには「シリコングリス」を薄く塗り滑りをよくしましょう。
クリップの取り付け新品のクリップを取り付けます。しっかりと溝に収まっていることを確認しましょう。
ダストシールの取り付けオイルシール同様、インナーチューブに養生をし、シリコングリスを塗り入れます。手の力で十分に入りますので、シールインサーターは使用しなくても大丈夫です。
ダンパーロッドを入れて固定するスプリングの落下に注意しながらダンパーロッドを入れます。
[SR400 ダンパーロッドボルト:ヘキサゴン 8mm 締付トルク:2.8kg]ダンパーロッドボルトで固定します。ワッシャーは必ず新品を使用しましょう。 ※空転してしまう場合は上記手順を試してみましょう。
- Sponsored Link - フォークオイルを入れるフォークオイルデータを参照し、フォークオイルを規定量入れましょう。オイルを入れる時は泡立たないように、フォークを斜めにし壁を伝わらせましょう。
油面を合わせるフォークオイルデータを参照し、フォークオイルの油面の高さを調整しましょう。 「油面ゲージ」を使用し、フォーク内には”何も入れず、フルボトムさせた状態“で測定します。
油面調整が終わったら、しばらく放置しエア抜きを行います。
フォークスプリングを入れるフォークスプリングの”向き“に気をつけて、泡立たせないようにゆっくりといれます。
トップキャップを取り付ける [SR400 トップキャップ:ヘキサゴン17mm 締付トルク:2.3kg]トップキャップを取り付けます。フォーク単体では本締めが困難な場合は、車体に取り付けてからでも問題ありません。
車体に取り付ける外した時と逆の手順でフォークを取り付けます。共締めする部品は「リチウムグリス」を薄く塗りましょう。
視界に入りやすいトップキャップは”頭の向き“を揃えることで見栄えが良くなります。
- Sponsored Link -さいごに
今回はフロントフォークのオイル漏れの対処法を紹介しました。 オイル漏れが確認できた場合、早急に販売店に相談してみましょう。
オーバーホールの作業は専門知識と整備スキルが要求されますので、ご自身でされる場合は慎重に作業していきましょう。 また、動画でも作業風景をご紹介する予定ですので、是非チャンネル登録してお待ちください。
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