スイカの育て方
夏の風物詩であるスイカも、プランターでタネから育てることが出来ます。
スイカは漢字で「西瓜」と書くとおり、中国の西から伝来したウリ科の植物なので、(他のウリ科野菜同様)結実させるためには早朝の人工授粉が必要です。また、ツルが長く伸び、それなりに広いスペースが必要となることから、家庭菜園初心者にはやや栽培のハードルが高い野菜の1つといえます。
この記事では比較的少ないスペースで栽培することが出来、糖度が非常に高い小玉スイカ「紅しずく」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。(苗を購入して栽培する方は前半を適宜読み飛ばしてください)
基本データ栽培難易度 名称・別名スイカ(西瓜)科名ウリ科英名Watermelon原産地アフリカ播種適期4月上旬~4月下旬種のまき方点まき発芽適温25~30℃生育適温25℃発芽日数4~6日最適プランターエアープランター600目次
- Step 1:必要資材の準備
- Step 2:種まき
- Step 3:発芽・間引き・仮支柱
- Step 4:摘心
- Step 5:芽かき、整枝
- Step 6:育成
- Step 7:人工授粉・摘果・収穫
- 栽培のポイント・注意点
Step 1:必要資材の準備
小玉スイカをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。
タネ
家庭の少ないスペースでも栽培可能な小玉種で、裂果や、空洞果が発生しづらく、糖度が高い家庭菜園の人気品種です(果重:2.5 kg程度、果肉:赤色、糖度:12~13度)。
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プランター
土がたくさん入る大きめのプランターを使用するようにしましょう。
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*エアプランター600は、この記事で使用している「レリーフプランター深型600」の後継製品です。
培養土
緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れているのが特徴です。
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肥料
窒素、リン、カリがそれぞれ8%含まれる、最も一般的な化成肥料です。信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。
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ジョーロ
毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。
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よしず
ツルを直接地面に這わせると、スイカが傷みやすいので、今回はプランターのすぐそばに縦横2メートル程度のよしずを敷き、その上にツルを這わせる方法で栽培します。
Step 2:種まき
手順1鉢底石を入れる良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。*新品のゴールデン粒状培養土を使用する場合、この手順は不要です。
手順2培養土を入れるプランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
手順3タネをまく点まき。エアープランター600なら2点、各点4粒。
手順4タネに土をかぶせる培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
手順5水やりをするプランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
Step 3:発芽・間引き・仮支柱
毎日水やりを行うと1週間ほどで順次発芽します。2枚の双葉の先端に種がついたまま発芽することが多々ありますが、しばらく放置すれば自然に外れて双葉が展開します。
双葉が完全に展開し、本葉が出始めたタイミングで、初回の間引きを行って各点2株、プランター全体で4株とします。
間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。
2022年3月21日野菜の間引きのコツ:2つの方法と3つのポイントしばらくすると大きな本葉が展開しますが、本葉が3枚くらいになるまではこのまま各点2株を維持します。
3枚目の本葉が展開したら、最終間引きを行って各点1株、プランター全体で計2株とします。
スイカは本葉が大きく、風にあおられて茎が傷みやすいので、最終間引き後に、株元への十分な土寄せを行い、さらに、仮支柱(割り箸などでOK)を立てて、ゆるく麻ひもで固定しておくと安心です。
定期的な追肥が必要スイカは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。
Step 4:摘心
最終間引きを終えて、下の写真くらいのサイズになったら、摘心(てきしん)を行って、子ヅル2本仕立てとします。
摘心とは、主枝の先端をハサミで切り落とすことによって、主枝の成長を止め、代わりに、わき芽の発生と成長を促す方法のことをいいます。今回は主枝を切り落として、わき芽(子ヅル)2本を伸ばし、それぞれ1玉ずつ着果させます。
摘心のタイミングですが、親ヅルがしっかり成長し、かつ、本葉が4~5枚あり、しかも良く晴れた日に行うようにしましょう(晴れていると切り口がすぐ乾き、病気になりにくい)
摘心後は以下のようになります(主枝と、側枝を間違えないように注意)。
Step 5:芽かき、整枝
摘心を終えると、次々に、わき芽(子ヅル)が成長するので、揃いの良い子ヅル2本を残して、他の子ヅルは手で折り取って除去し、子ヅル2本仕立てとします。
下の写真が、整枝前の様子です。
こちらが、整枝後です。余計な子ヅルを除去して、全体的にすっきりしたことが分かります。
上の写真だけでは、どこが、どのように、子ヅル2本仕立てとなっているのかが、分からないという方は、以下の写真も参考にしてみてください。
紫色が親ヅルです。赤い線は親ヅルから伸びる本葉です。更に、本葉の付け根のところから青い線が2本伸びていますが、これが子ヅルです。
この後も、成長に伴って、新しい子ヅルがどんどん伸びてきますが、青線で示した2本の子ヅルに栄養を集中させるため、そのほかの子ヅル(わき芽)は見つけ次第、手で折り取るようにします。
Step 6:育成
各株2本の子ヅルが出来るだけ重なり合わないよう4方向に伸ばし、水分と肥料を切らさないように注意しながら育成します。
ある程度、ツルが延びてきたら、地面によしずを敷いて、その上にツルを移動させ、地這い仕立てとします(本支柱を立てて立体的に空中栽培することも可能ですが、難易度が非常に高いため、初心者には地這い仕立てがお勧めです)。
Step 7:人工授粉・摘果・収穫
次第に、花が咲き始めます。雌花と雄花が、朝、同時に開花したら、以下の手順どおりに人工授粉を行います。
手順1雌花を探す 雌花は花の付け根に、将来スイカの果実となる膨らみがあるのが特徴です。手順2雄花を探す 雄花は花の付け根に膨らみが無いのが特徴。手順3雄花の花弁を取り除く ハサミで花びらを丁寧に切り取り、ヒダ状のスイカの雄しべを露出させます。手順4雌しべに雄しべを擦り付ける 露出した雄しべを、雌花の内側にある雌しべの先端に軽く押し当て、花粉をまんべんなく均一に付着させます。人工授粉を成功させるためには、4つの条件をすべて同時に満たすことが必要です。
人工授粉の成立条件- 晴れていること
- 雄花が咲いていること
- 雌花が咲いていること
- 朝9時までに人工授粉を完了すること
人工授粉に成功するとスイカの果実となる「子房」が徐々に膨らんできます。小玉スイカの場合、畑では1つのツルに2果、1株当たり4果の収穫が可能ですが、プランターでは1つのツルに1果=1株2果が限界なので、下の写真のように1つのツルに2つ以上着果した場合は、どちらか片方を摘果し、栄養を1果に集中させるようにしましょう。
しばらくすると、子房の肥大が進み、誰が見てもスイカと分かるような形へと生長します。1つのプランターに2株、1株当たり2ツル、1ツルあたり1果着果させているので、プランターあたり4果収穫出来ることになります。
スイカ以外の大半の野菜は外見から収穫適期が分かりますが、スイカに関しては外見や、叩いたときの音などから、収穫適期を素人が見極めるのは非常に難しいです。
そのため、いつ受粉したかを記録して、品種ごとに決められた日数経過後に収穫するのが適期収穫のポイントです。
以下の写真のように、人工授粉した日を書いたメモを雌花に麻ひもでくくりつけておくと、それぞれの果実の収穫適期が一目瞭然です(一般論として、大玉45日、小玉35日が目安)。
収穫適期を迎えたら、ツルを切って、朝のうちに収穫しましょう。
今回栽培した小玉スイカ「紅しずく」は、一般的な大玉スイカ品種よりも糖度が高く、家庭菜園ならではの味を楽しむことが出来ます。
栽培のポイント・注意点
「紅しずく」のプランター栽培の要点
スイカは品種によって適期に至る受粉後の日数や、仕立て方などが異なりますが、今回ご紹介した「紅しずく」の栽培の要点は以下の通りです。
- 本葉5枚で摘心し、子ヅル2本仕立てとする。
- 各ツルから1果=1株から計2果を収穫する。1つのプランターに2株栽培するため、1プランターあたり4果の収穫が可能。
- 14~20節で着果(人工授粉)させるのが理想。
- 孫ヅルは着果節までは全て取り去り、受粉後は放任する。
- 子ヅルの先端は最後まで摘心不要。
- 受粉後33~35日が収穫適期。
人工授粉のチャンスを逃さない
スイカ栽培の難しさは、同じ日の朝に雌花と雄花が同時に咲かなければ人工授粉ができず着果しないところにあります。限られた人工授粉のチャンスを逃さないよう、毎朝必ずチェックを忘れないようにしましょう。安定的に人工授粉可能な場合は、14~20節で着果させるのが理想です。
病虫害に注意
スイカはウリ科なので、アブラムシやウリハムシなどの害虫に好まれます。株のサイズが大きく、防虫ネットで完全に覆うこともほぼ不可能なため、見つけ次第捕殺するようにしましょう。
腐敗と裂果に注意
スイカの玉が、湿った土に直接長く触れていると腐敗することがあります。よしずなどを使って、地面との直接の接触を避けるか、立体的に誘引して果皮が過湿にならないよう管理しましょう。
また、収穫直前になると内圧が高まり、大雨などの衝撃(+過剰な水分吸収)によって、裂果することがあります。雨除けが出来れば理想ですが、家庭菜園では現実的に難しいため、天気予報で大雨が予想される場合は、2~3日適期より早くても収穫してしまうことをお勧めします。