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ピンポンパンポーン 短編 2025/06/03 10:40 72,871view 772 𝕏 Facebook

これは、小学校高学年くらいの頃の話だ。

ある日の昼下がりの授業中、つまんない歴史の授業をぼんやり聞きながら、窓際の席に座ってた私はボーッと窓から校庭を眺めていた。

たまたま体育の授業が無いのか、誰もいない、ガランとした校庭……のはずだった。

校庭のど真ん中、誰かがいる。大人だ。

でも先生じゃない、掃除のおじさんでもない。見たことのない人だった。

遠目にもガッチリした体つきがわかった。男の人だろう。俯いて直立している。微動だにしない。

やけに不気味なその人に、私の視線は釘付けになっていた。

誰なんだろう……なんてぼんやり考えてると、その人はこちらの視線に気がついたようだった。

バッチリ目が合ってしまった。この距離では顔まではよく見えない。でも、確かに目が合った気がした。

すると、その瞬間からその人は、しきりにこっちに向かって手を振ってきた。

声は聞こえないけど、まるで、おーい、おーいって言うみたいに、両手を大きく振ってきた。

その動きが、とにかく”変”だった。気が狂ったように、不自然な動きで全力で両手を振っていたんだ。

完全に見てはいけないものを見てしまったと思った。

背筋が凍りつき、眠気など吹き飛んでいた。

すぐに目を逸らして、教卓の方を見る。

今見たものは気のせいだ。きっと、夢を見ていたんだ。そう思い込んだ。

それでもやはり気になってしまう。 ドキドキしながらもう一度校庭の方を見る。

…………居なかった。 やっぱり気のせいだ。

ホッとして、またぼーっとし始める。

_____その時だった。

♪ ピーンポーンパーンポーン 『1階、下駄箱の鍵が無くなりました。佐藤先生至急来てください。』

校内放送だ。この放送は何度も避難訓練の時聞いた。

不審者が学校に侵入したことを知らせる放送だ。

うちの学校では、不審者に気づかせないように、 このように暗号にして、侵入場所を知らせるようにしている。

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